自閉症スペクトラム疑いの息子と高齢ママの記録

現在、2歳7か月。発達がゆっくりだと思っていた息子に自閉症の疑いがかかりました。不器用ながら頑張る息子と迷い悩みながらの私と夫の育児記録。

興味の偏り お絵描き編

2歳7か月の自閉症スペクトラム(疑い)の息子は、興味の幅がとても狭いです。

興味のあることは、かなり集中してできるのですが、興味のないことはさっぱりで、しようともしません。

 

息子の興味のあることのひとつにシール貼りがあります。

普段、じっとしていない息子が机に向かって黙々とシールを張ったり剥がしたり、すごい集中力で取り組みます。

 

興味が持てないことのひとつにお絵描きがあります。

お絵描きしましょうとクレヨンを出してきても、クレヨンの箱に書いてある絵に興味が行ってしまったり、クレヨンを並べだしたり…殴り書きすらせず、困っていました。

 

本当は殴り書きくらいは出来るはずなのですが、興味がないのでしようとしないのです。

そこでこんな方法をとってみました。

 

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息子の好きな昆虫と昆虫を結ばせる方法です。

 

これが、息子にはヒットしました。

左右のありを指さしながら、「ありとありを結ぶ」と言いながら、

1.最初は一緒にクレヨンを握って

2.次第に親の手は添える程度に弱める

3.クレヨンの進ませ方が違う場合は、親が手を添え正しい方向に導く

4.最後には一人で

 

この順序で息子はひとりでできるようになりました。

 

次に虫と虫の距離を少しずつ離したり、縦に虫と虫を配置したりで、縦の線も弾けるようになりました。

 

現在は「線引いて」という指示で線を引くということはまだできないので、次は親の指示で線が引けるように練習したいなと思っています。

 

このような事をしているうちに、少しずつ、お絵描きにも興味が出てきて、殴り書きに続き、塗り絵もできるようになりました。

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塗り絵は『ぬりえやさん』というサイトでダウンロードさせていただきました。

果物・昆虫・車やファッションなど、かなり大量に用意されているので、きっと子供さんが興味を持てる塗り絵があると思います。

 

発達障害の子供は、興味がないことは、全くしようとしない子供が多いそうので(少なくとも息子の場合はそうです)、親がいかに興味を持たせて、新しいことにチャレンジさせられるかが鍵だと感じました。

 

 息子はブロック遊びも苦手で、ブロックを積むということをせず、並べてばかりだったのですが、こちらも少し興味を持つようになりました。

次回はそのことについて書いてみようと思います。

 

 

 

明るく生きていこうと思う ~子供が発達障害なのは不幸なのか~

私が息子を生んだのは39歳の時でした。

不妊治療の末に授かりました。

 

結婚が遅めで、独身時代はとても孤独だと感じていたため、結婚も出産も本当に幸せでした。

特に、息子を生んでからは、これまでモノクロだった人生に鮮やかな色がついたと感じていました。

 

息子よりも小さい子供を見ると、息子にもこんな時があったなと懐かしく思い、息子よりも大きい子を見ると、息子もこんな風になるのかなと微笑ましく思い、この世の中の様々な事に対しての見方が大きく変わりました。

 

そんな幸せな日々を送っていましたが、息子が自閉症スペクトラム(疑い)ということがわかった時は本当に苦しかったです。

何もする気になれない、何をしていてもそのことが頭から離れない、夫とも話したくない、友達とも会いたくない。夜も眠れない。

息苦しさが続き、自律神経失調症にもなりました。(現在は薬を服用中です)

 

息子は将来自立(自活)できるのか。

私たちが死んだ後はどうなるのか。

正直なところ、世間体も気になりました。自分の友達やママ友とはこれからどうするのか。

もう誰にも会いたくない、子供とふたりきりでずっと殻に閉じこもっていたい…など。

 

だけど、そんな嘆きの気持ちは長くは続きませんでした。

というより、続けられませんでした。

だって、息子は今まで通り、何一つ変わることなく、私の隣でニコニコしているのです。

「嘆いている暇などない、この大切な息子が自活できるように今できる最大限の事をしよう」

少しずつですが、そんな風に思えてきました。

 

ちょうど、その時に興味を持ち始めたABAに効果が期待できそうなこと。

そして、その専門家に直接ホームセラピーをしてもらえることなどが、私の気持ちを明るい方向に導いてくれました。

 takaramono.hatenadiary.com

 

客観的にみると、子供が発達障害ということは不幸にみえるかもしれません。

私自信も今まではそう見えていました。

 

ですが、実際に我が子が発達障害(疑い)ということが分かっても、自分たちが不幸だとは思わないのです。

 

毎日大変なのは事実なのですが、我が子のゆっくりながらの成長が嬉しく、息子との日々がとても楽しいのです。

 

息子が発達障害であることは悲しい。

だけど我が子が宝物であることには変わりはありません。

 

これから苦難もたくさんあると思います。

息子と共に乗り越えないといけないことも沢山あると思います。

でも、楽しい事や嬉しいことも沢山ある。

やりがい・達成感もきっと沢山あるでしょう。

だから、私は明るく生きていこうと思います。

 

 

ABAホームセラピー 初期コンサルテーション&行動アセスメント

待ちに待ったABAホームセラピーの「初期コンサルテーション&行動アセスメント」初日を終えましたので記事にしたいと思います。

 

初めてお会いした、臨床心理士の先生は、とても優しく、感じのいい先生でした。

私と同世代ですが、大学・大学院で心理学を専攻され、ABA歴は12年くらい、本なども出版されている女の先生です。

こんなすごい先生に来てもらう事ができて、本当にうれしい!

 

初回の数分で息子について下記の事を見極められました。

 

・私の言葉の模倣が多い(すごいですよと、嬉)

・学ぶ力が大きい

・注目をしてほしい

 

それから、日常生活での様子や実際に息子の様子を見て、初期コンサルテーションが進んでいきます。

遊びの中で、息子が好きな魚のマグネットを使って、マッチングをさせ、

そのひとつの魚をこっそり遠くの壁にくっつけ「こんなところに魚があるよと」マグネットに注目させ

 

マグネットに近寄った息子に「抱っこ」と言わせ

 

抱っこのあとは「とって」「あっち」「これ」などのマンドを引き出します。

 

これを繰り返します。

 

この日は初期コンサルテーションなので、引き出すのが目的ではなく、どんな感じで引き出せそうか先生が判断されているようでした。

 

息子は単語は沢山でているのですが、人に伝達する言葉以外に、自分で言って楽しんでいる言葉(つまり独り言)が多く、全く関係ない場面で「いただきま~す」やリンゴ・バナナがないのに「リンゴ」「バナナ」と話すのが目立ちます。

 

この独り言についての対応は、ずばり「反応しない」

逆に場に合った言葉を発しているときは、ちゃんと反応する。

 

これで減るかどうかは分からないけど、対応としては、これが良いそうです。

 

なるほど、ABAでは減らしたい行動に対して方法の一つに「消去」があります。

消去するためにするのは「無視」すること。

なるほど~。

 

あと、息子が「ママ」を「ママはーい」と呼ぶことについては、

まずは「ママ来て~」にシフトしましょうとのアドバイスをもらいました。

 

今後の改題は

 

・息子は自分のペースでしか遊べないことが多い。大人のペースでも遊べるように

→これが結果的に友達と遊べることにつながるそうです。

 

・マッチングなどは自分の好きではないものでも出来るように。

 

この日は2時間で終了しました。

次回の2時間も「初期コンサルテーション&行動アセスメント」が続きます。そしてそのあとにようやくセラピー1回目となるようです。

 

自閉症は直らない。だけど、息子がこの先、生きやすいようにしてやりたい。

 

次回が楽しみです。

 

 

2歳7か月の様子まとめ

ABAについて調べれば調べるほど、効果が期待できそうで、本格的に始めてみたいと思い、早速、臨床心理士の先生が自宅でABAホームセラピーをしてくださる所を見つけ、それが今週から始まります。

 

とりあえず、週に1回2時間のセラピーを受ける予定です。

セラピストによる定期的なホームセラピーを始めたとしても、ベースは私(若しくは夫)と息子の家庭でのABAセラピーがメインとなるため、これからは一日どれくらいの時間をABAに費やせるかが鍵になるのかなと思っています。

 

息子が自閉症スペクトラムなのではないかと思い始めてから、とても落ち込んだ日々を送っていましたが、効果が期待できそうなABAホームセラピーを受けられる事が決まり、真っ暗だったこの先に、少し光が差し、希望が見えたような気がします。

 

ABAホームセラピーが始まる前に、2歳7か月の息子の様子をまとめました。

 

【言葉】

単語数は200未満。動物の名前・花の名前・虫の名前など名詞はかなり言えます。

「赤い」や「遊ぶ」などの動詞・形容詞も少し言えるものの、なかなか単語同士が繋がりません。

魚がないところで魚と言ったり、誰かに伝える手段としての言葉というより、ひとりで言って楽しんでいる感じのように見受けられます。

 

また、息子はママと呼ばなかったので「ママ」と呼ばせ、「はーい」と返事をしていたら、ママを「ママはーい」と覚えてしまいました。

ママと呼ばない事からは進歩しているのでしょうが、ここからどうしたら良いのか悩むところです。

 
「開けて」はかなり前から言えたのですが、「抱っこ」も言えるようになりました。

「来て」「取って」なども練習中です。

 

トマトは何色?「あか」

犬は何て鳴く?「ワンワン」なども言えます

 

【身辺自立】

トイトレの途中です。トイレに連れて行くとおしっこをしようとします。

服の着脱はまだひとりではできないけど、ズボンを上げるのは少しできるようになってきました。

 

【食事】

極めて小食、嫌いなものも多く、食べ慣れている物を好みます。

特に果物はほとんど食べません。バナナのみ食べます。
ブドウ・リンゴも再トライしてみたけど、やはり食べません

スプーンを持って食べれるのは食べられますが、食べる意欲が少ないため、食事の途中で立とうします(若しくは私の膝の上に載る)

口に入れたものをなかなか呑み込めません。好物のジュースを見せると呑み込もうとするので、食事中にジュースを飲ませることも。

正直、一日3回(保育園の日は2回)の食事が大変です。

今年の4月頃まではもっと食べていたのに、なぜか急に飲み込まなくなってしまいました。

 

【最近できるようになったこと】

・お絵描きに興味を示さなかったのですが、最近やっと丸と丸をつないだり、数字に〇を書いたり、少しずつできるようになってきたました。

・粘土が苦手で触ろうとしなかったが、私がするのを見ているうちに興味が出てきたようで、最近は集中して粘土遊びしています。

・ブロックを積もうとしなかったのですが、少し積めるようになってきました。

 

この辺りは日々の家庭療育の成果かなと感じています。

 

【困った行動】

・物を投げる
・場面の切り替えが苦手で楽しいことを終了しようとしたら怒る

 

物を投げる事について、発達支援センターの先生に相談したところ、何かがうまくいかなかった時、自分でもどうしていいか分からず物を投げたりしているのでは?とのことでした。

悪意があって投げるのは問題ですが、自分でもよくわかっていないで投げているので、怒ったりする必要はないそうです。

親が怒ったりすることで「自分のイライラの気持ちを表現すること」がいけない事と思ってしまう場合もあるそうです。

 

特にこの1か月は私が息子が自閉症スペクトラムだということに気が付いたので、自分でできることを沢山してきました。

結果として、たくさんの事が言えるように出来るようになったと感じています。

同時に定型発達の子供との違いも顕著になってきたように思います。

 

 

 

家庭療育に取り掛かる

自閉症スペクトラムの社会的自立のサポートにABAの早期療育が有益であること事は、さまざまな文献やサイトで言われています。

 

ですが、このABAはある程度のまとまった時間(週に数十時間)をかける必要があるそうで、この数十時間のすべてのを専門家にお願いするのは、スケジュール面でもコスト面でも難しい場合が多いのではないかと思われます。

 

そういった理由で、多くのお方が家庭で親がABAセラピーをされていることをブログなどで知り、さっそく我が家でもできることから取りかかってみることにしました。

今の私と息子でもできそうだなと思った本は、「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ 」という本です。

 

ABAの難しいことは最小限にまとめられており、大変わかりやすく、簡単に実践できる素晴らしい本です。

 

これ以外にも、子供と机を挟んで向かい合って、ステップ1から順番に行うABAの本なども読みましたが、2歳の息子を相手にいきなりここから取り掛かるのは、なかなかハードルが高そうに感じました。

 

この家庭でのABAと平行して、月に2回の療育でやったことの反復練習などを一日に1時間~2時間ずつ家庭療育を行っています。

 

まだ数週間しかたっていませんが、「だっこ」や「取って」などの要求言語が出てき始めました。とても嬉しい変化です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保育園での息子の様子

息子が自閉症スペクトラムの疑いが強いとなると、保育園での様子も気になります。

 

月に1回のファミリーデイである今日、前もって先生に「息子に気が付かれないようにこっそりと普段の息子の様子をみたい」とお願いして、保育園に伺ってきました。

 

今日は園庭で体育の先生に跳び箱を教わる日のようです。

他の2歳児さんが飛ぶ様子を見てから、一番最後に息子が飛びました。

と言っても、息子は飛べず、先生に補助してもらいながら跳び箱の上を登って降りただけではありますが、頑張っている様子。

先生に手を引いてもらいながらも、皆と同じように行動しています。
体育の先生が帰られる際にみんなでご挨拶するとき、息子も頑張って「さなななあら(さようなら)」と大きな声で言っています。

 

普段、一緒に公園に行ったり、支援センターなどで同年代の子供さんに全く興味をしめさない息子を見て、保育園での様子を心配していましたが、私が想像していた以上に社会性が育っているようで安心しました。

 

息子は1歳4か月のころから保育園に預けていますが、早い時期に集団の中に入れて外の世界に触れさせていたことは本当に良かったと感じた一日でした。


同時に私がいない「息子だけの世界」があることを目の当たりにし、ほんの少し寂しく感じる気持ちもありました。

 

 

 

良い療育を求めて

息子が自閉症スペクトラムである可能性が高まると、現在のこども発達センターで受けられる月に2回の療育が少なすぎる。

(この頃から先生のスケジュールに空きが出て、月1→月2に増えました)

 

一刻も早く良い療育を多く受けさせなければ!と必死になり、とても精神的に辛い時期でしたが、落ち込んでいる暇もありませんでした。

 

そういえば、隣のひとつ年上のA君も療育に通っているらしく、その療育は週に1回、1回あたりが4時間も受けられると聞いていました。

療育の仕組みを把握しておらず、種類があることを初めて知ります。

 

通える範囲での民間療育機関から、資料を取り寄せ、数十か所の療育機関から2か所を絞り出しました。

 

同時にABA(応用行動分析学)についても興味を持ち始めました。

 

このことについては、現在はまだ確実には決まっておらず、具体的に動き出したら記事にしたいと思います。